短歌
寒いねとかじかんだ手でメッセージ君の居場所も寒いといいな 漠然と将来のこと考える残った道はたったこれだけ 「この服はもう着ないから」「えっなんで」「前の彼女がくれたやつだし」 就活といふ営みの正体は他の未来を塗りつぶすこと 活躍をお祈りします…
くらやみをじっとみつめる午前四時人ですらない物体として 手招きをしている未来どこにでもいけるだろうか十七の夏 本棚の奥にしまった日記帳ああそうだった夢は社長だ 安っぽい自己啓発本第七章背筋をのばせたしかにそうだ リサイクルショップに並ぶなんと…
茶のブーツ 藍色ニットワンピース 真っ赤なリップ 透明な秋。 ヘッドホン思い出の曲 目を閉じて君の隣にそっと寄り添う 迷子犬 鉄塊に轢き殺された。 探していますと書かれたポスター 湯を注ぐ 窓は曇った深夜二時 ほんの数分背徳の味 何者に成れずにもがく …